コミュニケーション・コンプライアンス考察「信用・信頼の階段から落ちないために」

信用・信頼の階段から落ちないために

連載執筆コミュニケーション・コンプライアンス考察
(ネットワークひょうご 3月号より)

「信用・信頼の階段から落ちないために」

日々のお仕事の取り組みを「コンプライアンス」という視点で捉えると、「組織の信用やブランドイメージを損なわない」ように留意することになります。これは今回の連載を担当するにあたって最初に書いた一文です。この一年の間でも、まさかあの企業が!?というこれまで長年にわたって築いてきた信用・信頼がガタガタと崩れた企業の不祥事もありました。信用・信頼を築くには、階段を上るように時間がかかるものですが、信用・信頼の階段から落ちるのは一瞬です。これは人間関係も同じです。

人間関係における信用・信頼が崩れる代表的なものが「言っていることと、やっていることが違う」という言行不一致です。そうすると関係の質が悪くなってきます。関係性が崩れたままの指導では、上手くいかないことが多いものです。なぜならば、人は「何」を教わるかの前に、「誰」に教わるかを大切にするからです。上司からの信頼という関係性が崩れたままでは、上司は安心して仕事を任せることが出来なくなります。言行一致を上司も部下も大切にしなければいけませんね。そのために自分自身の「ふりかえり」と他者からの「フィードバック」を習慣化していきたいものです。

ダニエル・キム博士の組織の「成功循環モデル」は次のようなことを教えてくれます。「関係の質」が高まると、「思考の質」(モチベーション、当事者意識等)が高まる。「思考の質」が高まると「行動の質」(積極性、協働姿勢等)が向上し、成果が出て「結果の質」が向上する。すると活気や協力など「関係の質」がさらに高まり、グッドサイクル(関係の質⇒思考の質⇒行動の質⇒結果の質⇒関係の質⇒・・・)が回りはじめる。これが成功循環モデルです。関係の質が悪いと、萎縮型・他人事型の負のサイクルが回りはじめると言い換えることが出来ます。

結果の質から眺めると、「組織の信用やブランドイメージを損なわない」ことはもちろんですが、「組織の信用やブランドイメージをより高めていく」ことも大切です。そのための土台であり出発点が、組織の人間関係の質、つまり「お互いの信用・信頼」です。約束を守る、ルールを守る、仲間を大切にする、お客様を大切にするという当たり前のことの積みかさねにより、信用・信頼の階段を一歩一歩登っていくのです。
執筆・鎌田敏

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