コミュニケーション・コンプライアンス考察「ストレスマネジメント入門」

ストレスマネジメント入門

平成29年度全国労働衛生週間(10月1日から10月7日)のスローガンは「働き方改革で見直そう みんなが輝く 健康職場」でした。働き方改革とは、残業時間の短縮等がクローズアップされることが多いのですが、労働人口が激減していく日本社会において、生産性の向上や多様な働き方への取り組みが本丸なのです。AI(人工知能)などの最先端技術による生産性の向上ももちろん大切ですが、まずは何より人や組織がイキイキとし、協力し合い、知恵を出し合い、その相乗効果による組織のダイナミズムが重要です。したがって先に紹介した「健康職場づくり」が大切になってきます。「不健康職場」では、生産性の低下や人間関係のトラブルにつながり、さらにはコンプライアンス違反が発生する可能性が高まります。

そこで今回は健康職場の土台となる心の健康におけるセルフケアについて紹介します。ストレスを自身でいかにコントロールしていくかがセルフケア。『ストレッサ―(要因)⇒認知(受けとめ方)⇒情動的興奮⇒身体的興奮』という流れが、ストレス反応のメカニズムです。人前で10分間スピーチ(ストレッサ―)⇒苦手、嫌い(認知)⇒不安(情動的興奮)⇒ドキドキ、手の震え(身体的興奮)と書いた方が分かりやすいですね。

ストレッサ―に対しては、「改善に取り組む」ことがストレスマネジメントになります。例えば、スピーチの練習をする、上手な人に指導してもらうなど。認知に対しては、上手になるためのプロセスだ、スピーチで死んだりはしない、噛んでもノープロブレム、俺の出番がきたぜ、と「受けとめ方を変える」ことがストレスマネジメントです。情動的興奮と身体的興奮に対しては「リラクセーション」がストレスマネジメントになります。不安、ドキドキの場合は、深呼吸をすることで自律神経の副交感神経(リラックス神経)を優位にしてあげることが代表的です。あるいはストレス反応により筋肉が硬くなっていることが多いので、ストレッチなどを行い、筋緊張をほぐしてあげることも代表的なリラクセーションです。
スピーチでも事前に分かっていることもあれば、急に指名を受ける場合があります。ストレッサ―の発生状況により、どの段階のストレスマネジメントを行う必要があるのかが変わってきますね。急な場合は「改善に取り組む」ことが出来ません。そして仕事をしていれば急なストレッサ―が発生することが多いものです。さらには自分だけでは改善するのが難しいストレッサ―(相手という「人」がいい例ですね)も多いものです。ですので、まずは「受けとめ方を変える」、「リラクセーション」を習慣化することが現実的なストレスマネジメントの入口になります。

連載執筆コミュニケーション・コンプライアンス考察
隔月機関誌ネットワークひょうご 1月号より

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