労働人口減少社会における経営改革 講演「魅力ある職場づくり」

昨日は夕方に熱田神宮近くの会場にて某業界団体の総会後に講演させていただきました。陽射しは気持ちいいが、風はひんやりしますね。そして・・黄砂が・・くしゃみと鼻水が(泣)。

中小企業の経営者十数名の方々の集まる場。お題は「魅力ある職場づくり」。イキイキとした職場づくりのアプローチですが、人材定着・早期離職防止のねらいがありました。もちろんこれは主催者側のご要望でもあるわけです。60分講演だったのでポイントだけでしたので、もう少し時間が欲しかったなぁ。

労働力不足が深刻なのです。少し整理してみましょう。(1,2は硬すぎるのですっ飛ばしてもらってOKですよ(^_-)-☆)

1.生産年齢人口の推移

総務省の国勢調査では、2015年の生産年齢人口(15歳~64歳)は7,592万人。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計では、生産年齢人口は2030年には6,773万人、2060年には4,418万人にまで減少すると見込まれているそうです。2015年からみれば、今から10年後には約10%、40年後には約42%も減少することになります。そうした背景を受けての働き方改革についても少し整理してみましょう。

2.働き方改革とは

少し長くなりますがこういうことです。

~厚生労働省では、「働き方改革」の目指すものとして●我が国は、「少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少」「育児や介護との両立など、働く方のニーズの多様化」などの状況に直面しています。●こうした中、投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作ることが重要な課題になっています。「働き方改革」は、この課題の解決のため、働く方の置かれた個々の事情に応じ、多様な働き方を選択できる社会を実現し、働く方一人ひとりがより良い将来の展望を持てるようにすることを目指しています。~(厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html)

具体的な取り組みとしては、以下の通りです。

~働き方改革については、総理が議長となり、労働界と産業界のトップと有識者が集まった「働き方改革実現会議」において、「非正規雇用の処遇改善」「賃金引上げと労働生産性向上」「長時間労働の是正」「柔軟な働き方がしやすい環境整備」など9つの分野について、具体的な方向性を示すための議論を行いました。~(厚生労働省http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000148322.html)

9つの分野にはその他に「病気の治療、子育て・介護等と仕事の両立、障害者就労の推進」「外国人材の受入れ」「女性・若者が活躍しやすい環境整備」「雇用吸収力の高い産業への転職・再 就職支援、人材育成、格差を固定化させない教育の充実」「高齢者の就業促進」について議論が行われてその対応策が19の項目で示されています。

その19項目の中の「⑥健康で働きやすい職場環境の整備」が、人材定着・早期離職防止をカバーする対応策になるのでしょうね。

まぁ~珍しい!この僕ちんが、こんなことを記事にしているなんて(^_-)-☆

3.健康で働きやすい職場環境

「七五三現象」(新卒で就職した人のうち中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割程度が3年以内に離職するという傾向)は20年も前から続いているそうです。離職の理由は人それぞれでしょうが、これまで多くの業界の方々と控室などでお話ししたり、再就職支援のモチベーションアップセミナーなどを7年近く担当してきた中で浮かび上がってくるキーワードが「人間関係」です。

人間関係が悪いということは、その人にとって「不健康で働きにくい職場環境」になってしまいます。

そしてネット環境の進化により転職のハードルが低くなっていること、多様な価値観のもと組織人生よりも自分人生を重視し、「七五三現象」だけでなく中堅バリバリの組織への貢献度が高い社員の離職も増加していると思います。

人は生活するためのお金をかせぐために仕事をするのはこれは当然のことです。しかし、人間はこうした生活への「安心欲求」を満たそうとするだけでなく、社会の一員として貢献したい「貢献欲求」や仕事を通して能力を高めたいという「成長欲求」があります。

ほめられたい認められたいという「承認欲求」があります。そして話を聴いてもらいたい、相談したい、応援してほしい、良い人間関係の中にいたいという「愛と所属の欲求」があります。

こうした欲求をいかに満足させることが出来るか。これは上記のような働き方改革ではなく、経営改革だと思います。

いいかえれば「元気が出てくる職場づくり」「魅力ある職場づくり」です。

萎縮した空気、孤立感を感じる、元気が出てこない職場では、人材定着・早期離職防止につながらないですね。「がまんが足らない」「辛抱強くない」という価値観だけで捉えていては本質改善につながりません。豊かさに恵まれた日本社会における現代人の多様な価値観から目をそむけてはいけないと思うのです(本当は分かっていても、それを認めたくないという価値観から「がまんが足りん」となるのでしょうね。気持ち、分かります・・)。

4.元気が出てくる職場づくり

元気が出てくる職場づくり(この職場で働けてハッピーだ!)は、元気を出す職場づくり(今日もがんばらな!お前もがんばれ!)とは異なります。元気が出てくるためには人間関係・コミュニケーションが良好であること、つまり関係の質が高いことがもとめられます。モチベーション、メンタルヘルス、協働、ダイナミズムにつながる関係の質です。

モチベーション、メンタルヘルス、協働、ダイナミズムとは、生産性の向上につながります。労働人口減少における生産性減少という企業の課題への対策にもなりますね。イノベーションによる生産性の向上も大切ですが、石垣である人がしっかり支えていることが大切ですもんね。関係の質が高いことはハラスメント防止にもつながります。

ここで、この人たちと一緒に、この人のもとで働けることがハッピーだと思える職場づくり・・・これは講演や研修で(^_-)-☆と言いますか、お腹が空いたし、書き疲れました(笑)

 

どんな職場だとワクワクしますか? どんな職場だと心地よいですか? どんな職場だと元気が出ますか?

自ずとフォーカスすべきポイントが浮かび上がってくるのでは。。。

 

ふぅ、こんなブログ記事書くのはホントに珍しいが(いつもは講演や研修日記)、これからもメンタルヘルスやコミュニケーションなど書いてみようと思う。娘が夜中に少し泣いて(怖い夢見たかな)、目が完全に覚めてしまったのでパソコンに向かっているとこんなことを書いていました^_^;

今日もよい1日をお過ごしください。

僕は2冊目の本の登場がまもなくなのですが(こうご期待!)、実は3冊目に突入してまして、そこに今日は力を注ぎます。あっ、打合せが一本あった(汗)そして娘に猫が表紙のノートを買ってあげる約束をしていた・・・夜中に寝静まるために(汗)・・約束を守らないと^_^;

「夢見るのに時間をかけよう。それが君の荷馬車に星をつなぐ。」(英国の古い祈りの言葉)

ではまた。

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