コミュニケーション・コンプライアンス考察「ハラスメントの本質と「気がきく力」

ハラスメントの本質と「気がきく力」

連載執筆コミュニケーション・コンプライアンス考察
ネットワークひょうご 11月号より

職場のマネジメントには4つの側面があります。①お客様の利益になることを進めていく②職場のメンバーが幸せになることを進めていく③お客様の不利益になることはしない④職場のメンバーが不幸になることはしない、という4つです。ハラスメントとは④と関わってきます。例えば、「仕事は人間関係に始まり、人間関係に終わる」と言われますが、この大切な人間関係を乱すような、つまり、職場の和を乱すような言動はあってはならないということです。

ということは、ハラスメントはマネジメント側だけの問題ではなく、職場のすべての人たちに関わることになります。ハラスメントというと、上司から部下、男性から女性のイメージが強いですが、部下から上司、女性から男性へのハラスメントもあるのです。その意味でも職場のすべての人に関わることになります。

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裁判や労働基準監督署などの相談を通して、ハラスメント事例がたくさん蓄積されていますので、明らかなパワハラ・セクハラであることが指摘できる部分が多くなっている一方で、これはパワハラ?セクハラ?というようなグレーゾーンなものもあります。しかし、相手が「不快だ、傷つけられた、不幸な気持ちだ」と強く感じたことに合理性・妥当性があればパワハラ・セクハラになる時代であると受け止めるべきです。

そこで大切なのが「気がきく力」です。気がきく人とは「相手の気持ちを察する人」「相手の立場に立てる人」「空気が読める人」です。気がきく力が低いと無自覚に相手を深く傷つけていることがあるかもしれません。無自覚なので傷つけた側はグレーゾーンでセーフだという時代ではない、と受け止めた方がいいことは先に述べました。そして、気がきく力を高めることは、大切なお客様への信頼にもつながります。

気がきく力を育むためには、自分から挨拶をする、お礼の言葉を伝える、困っている仲間がいたら声をかけるという「挨拶」「感謝」「協力姿勢」を大切にしましょう。「気配り」「目配り」「心配り」「場の流れを読む」「空気を読む」という他者への配慮、全体への配慮を大切にしましょう。気がきく人たちの集まりにおいて職場の和が乱れることはありませんね。
(執筆・鎌田敏)

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